心臓や血管の症状は様々です。「最近歩くと動悸や息切れがしたり、脈が飛ぶ」、「検診で心雑音を指摘された」、「検診で心電図の異常を指摘された」、「最近血圧が高くなってきた気がする」、あるいは血管の動脈硬化が気になるという方は、一度循環器内科の受診をお勧めします。これら以外にも、いろいろな症状が、循環器疾患が原因で起こることがありますのでお気軽にCVIC大井町にご相談ください。
また非常に重要なことですが、実は循環器疾患では、「症状が出てからでは遅い」ことがあります。心臓病は、症状が出現したときには既に重症化していることも稀ではありません。そのため、症状が出てから初めて受診するというのでは遅い場合があります。有名人の心臓突然死という話も、最近ではしばしばマスコミで話題になることがあります。このような、心臓突然死の代表的な原因である狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患に関して、欧米での研究から重要な事実が2点指摘されています(図1)。
 

1)冠動脈疾患で突然死する患者の男性で50%、女性で64%はそれまで全く症状が無い。(最初の症状が死亡である。)
2)急性心筋梗塞の約68%は軽度狭窄病変(<50%狭窄率)から生じる。1

 

図1.冠動脈疾患の特徴

図1.冠動脈疾患の特徴


 
狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患は、動脈硬化を基礎として発症します。動脈硬化は、血管壁内にコレステロールを主成分とした動脈硬化性プラーク(粥腫)が、長い年月をかけて徐々に蓄積することにより起こります。ゆっくりと進行することが多く、かなり進行した段階になるまでは無症状で経過します(図2)。
 

図2.動脈硬化の進行

図2.動脈硬化の進行


 

一方で、急性心筋梗塞は、実はかなり進行した高度狭窄ではなく、むしろ軽度から中等度狭窄から発症することも分かってきました。それには、人間の血管は、動脈硬化が起こりプラークが蓄積すると、血管内腔を保つために血管自体が大きくなる代償性拡大を起こすことが関連しています(図3)。
 

図3.冠動脈の代償性拡大

図3.冠動脈の代償性拡大


 
心筋梗塞を起こしやすい危険なプラークを不安定プラークと呼ぶことがありますが、不安定プラークは安定プラークに比し代償性拡大を起こし大きなプラークとして蓄積していることが多いことが知られています。このような大きな不安定プラークを伴う病変は、従来の血管造影による狭窄度という指標では軽度から中等度に判定されてしまいます。血管壁内で大きくなった動脈硬化プラークは、様々なストレスがかかると突然に破綻する危険性があります。一旦プラーク破綻が生じると、数秒で血管閉塞を起こし、急性心筋梗塞を発症すると考えられています(図4)。
 

図4.心筋梗塞の起こり方

図4.心筋梗塞の起こり方


 
そのために、冠動脈疾患で突然死する患者の約50-60%は、「最初の発作が最後の発作」になってしまうと考えられます。狭心症の症状が出てから検査するというのでは遅い可能性があります。このような動脈硬化の自然経過の中で、冠動脈疾患を症状が出る前にできるだけ早い段階で診断し、心臓突然死を予防するのかは循環器内科の専門家の間でも重要な課題となっています。冠動脈疾患以外の不整脈、心筋症・心筋炎、弁膜症、心不全に関しても、症状が出て苦しくなってから受診するのでは、かなり病気が進行していることがあります。

心臓病は、無症状や軽症のときにその徴候をとらえる事が非常に重要です。そのためには、精度の高い、身体に負担の少ない検査(いわゆるスクリーニング検査)が必要となります。これまでにも定期的な健康診断、検診、心臓ドックなどが各医療機関で実施されてきました。ここ数年で、各種検査に関する研究が進み、心臓病のスクリーニング検査は大きな進歩を遂げています。しかし、残念ながら、正確な心臓の状態は、心臓を鮮明に映し出す画像診断でしか正確に診断できません。そのため、特に、心臓CT、心臓MRIなどの最新の高度画像診断検査に大きな期待が寄せられています。これら心臓CTや心臓MRIはどこの施設でも簡単に実施できるわけではなく、今後の幅広い普及と適切な利用は課題となっています。CVIC大井町では、CVICグループの強固な連携により、CVIC飯田橋にて迅速に心臓CTや心臓MRI検査を実施可能です。

参考資料:hanei_04_P9

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